フィックスターズとFastMetalを運営する国際調達情報は、2026年11月5日、国内のGPUサーバーでAIを動かし、外部のシステムから利用できるサービスの提供を始めました。提供開始時のモデルは「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」です。

自社で高性能なサーバーを購入・運用せず、処理する場所を国内に指定してAIを業務へ組み込みたい企業にとって、新しい選択肢になります。ただし、国内で処理する設定と、入力してよい情報のルールは確認が必要です。提供開始の発表

業務システムから国内のAIを呼び出す

「推論」は、AIが入力を受け取り、回答を作る処理のことです。「API」は、業務システムなどからその処理を呼び出すための窓口です。

例えば、問い合わせを分類する、資料を要約する、社内ツールで文章のたたき台を作る、といった使い方が考えられます。これらは活用例であり、その業務向けの完成したアプリが一式提供されるという意味ではありません。

FastMetalにはブラウザで試せるチャットもあります。業務システムへの組み込みでは、開発担当者や委託先と接続方法、回答の確認工程、利用量の上限を決めることになります。FastMetalの国内モデル案内

国内での処理には、利用経路の指定が重要

Fixstars Inference Cloudは、公開されたAIモデルをフィックスターズが国内で運用するサービスです。モデルの開発元のサービスへ、そのまま問い合わせを送る方式とは異なります。

FastMetal経由で国内ルートを使う場合は、モデルIDに japan-deepseek-v4.1-flash-1017 を指定します。公式案内では、先頭の「japan-」がないモデルや自動選択を指定すると、国外のモデルに振り分けられる場合があると説明されています。国内処理を社内の条件にする場合は、設定まで確認してください。Fixstarsの利用方法・注意点

契約方法と料金は分けて確認する

利用方法は、FastMetal経由とフィックスターズとの直接契約の2つです。

  • FastMetal経由: 前払いで利用し、登録当日から試せる方式。問い合わせ先はFastMetalです。
  • 直接契約: 法人向けで、申込後の審査が必要です。月末締めの請求書払いと、フィックスターズの技術支援に対応します。

Fixstarsの標準料金は、100万トークン当たり入力48円、出力192円、キャッシュ読み取り0.96円です。いずれも税別です。トークンはAIが文章などを処理する単位で、文字数とは一致しません。キャッシュは、処理済みの情報を再利用する仕組みです。Fixstarsの料金案内

一方、2026年11月7日の確認時点で、FastMetalは12月4日まで国内ルートを30%割引と案内し、入力33.6円、出力134.4円/100万トークン(税別)を表示しています。標準料金と期間限定料金を混同せず、契約する経路の最新価格を確認してください。FastMetalの割引・料金表示

実際の費用は、入力と出力の量や使い方で変わります。単価だけで導入効果を決めず、少量の業務データで回答品質と利用量を測るのがよいでしょう。

データの保存と学習利用はどうなる?

フィックスターズは、自社サーバーでは処理が終わった入力と出力を保存せず、ログやAIの学習にも使わないと説明しています。FastMetalの国内モデルページにも、プロンプトを保持せず、学習に使わないという表示があります。Fixstarsのデータの扱い・FastMetalの国内モデル

これらは提供者が示す条件です。自社で作るアプリの会話履歴やログまで自動的に消えるという意味ではありません。導入時には、AIの実行先だけでなく、経由するサービスと自社システムも含め、どこに何が残るかを確認してください。

試す前に、担当者と決めたいこと

事業担当者は、まず次の4点を開発担当者や委託先と整理すると、評価を始めやすくなります。

  1. 対象業務: 要約や分類など、何を任せ、どの段階で人が確認するか。
  2. 入力情報: 顧客情報や未公開資料を扱ってよい契約・社内ルールになっているか。
  3. 接続と保存: 国内ルートを指定できているか。自社アプリや中継先に残る履歴は何か。
  4. 品質と費用: 正解のある例や想定件数で試し、誤りの傾向と月の利用額を見積もれるか。

国内処理が必要な理由を明確にしたうえで、公開情報やテスト用の情報から試せば、業務に合うかを比較しやすくなります。

※内容・料金は2026年11月7日に確認した情報です。提供モデルや料金、契約条件は変更される場合があります。